UA値C値について断熱性は数値で考える

断熱性は数値で判断する

よく聞くワードがあります。「当社の住宅はとても暖かく造られていますよ。」とか、または「とても涼しく建てることが出来ますよ。」、「うちのガラスは〇〇な材質なので非常に良いです。」、「断熱材は〇〇を使用しますので、とてもおすすめです。」などなど、住宅営業マンと話すとよく飛び交うワードです。局所的にお勧めなことは大きく離されてきますが、それが一部分だけ優れていても家自体の断熱性能が高いかといえばそうではありません。重要なポイントは断熱性は数値で見るということです。実際話を聞いてもどんな材質をどれくらい使っているとか言われてもピンときませんよね。そのようなことを言われても家の大きさは様々ですので外壁の面積ひとつでも話が変わってきてしまいます。つまり数値でみなければどのような材質をどれくらい使っていると言われても家が大きすぎたら必要量には満たしておらず断熱性は低いということも考えられるわけです。

数値の比較はC値UA値だけみれば大丈夫

共通の数値で比較すれば他社との比較もしやすいので必ず数値で断熱性の高さを判断しましょう。大きなポイントとなる数値の種類はC値とUA値で十分かと思います。(UA値は少し前のQ値にあたるものと考えていいです。)まずはC値とは気密性のことです。なんとなく聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。相当隙間面積といい、C値が高ければ隙間が大きくてC値が小さければ家の隙間が小さいということになります。つまりC値が高ければ断熱性能が低いということです。(建築する際のC値の基準は以前は設けれられいたのですが、今は無いらしいです。)ちなみに以前の基準は5.0未満でした。現在の高気密住宅のスタンダードは1.0以下だと思います。C値は最終的に家が建った時点で測らないと出てこない数値になります。モデルハウスなどで出されている数値から、いざ自分の家を計測してみるとかなりのズレがでていて(低ければいいですけどね)トラブルに発展する話もありますので、過去の計測サンプルを多く持っている工務店にお願いするのが無難かと思います。

 

UA値(これPCの性質上Aは大きく表記されてますが、実際はUよりAは小さくなります。あまり気にしないでください)なのですがこれ正式には外皮平均熱還流率といいます。(長い。。)これ何とかと言うと、外皮とは家の屋根や外壁にあたる言葉で、そこから平均してどのくらいの熱が外へ出ていくかを算出した数値です。この数値は数が上がれば(高ければ)断熱性は良くないという判断になりますし、逆に数が下がれば(低ければ)断熱性は良いということになります。

このUA値についてですが寒冷地など場所によって基準は変わりますが、例えば千葉県で断熱性能等級4(これが基準の最高レベル)を取得するとなると、UA値0.87は必要となります。ちなみにゼロエネルギー住宅(通称ゼッチ=ZEH)の基準は0.6となります。(条件はこの限りではなくあくまで目安程度にご理解ください)これは最高基準の性能等級4の基準だから高いと思われがちですが、実はそうでは無く、ある程度良いサッシや断熱材を使用していればこの基準を満たすことが出来てしまいます。逆にこれくらい家を建てれない工務店は選ばない方が良いです。断熱性を得意としている工務店は余裕でクリアしてきます。ですのでまずはこのUA値という数値をもって家を建てる際の打ち合わせ時に確認するようにしましょう。

住宅営業マンの中でも勉強不足でこの数値を把握していない人もいます。それはあまり実績が無いか、怠慢ということも考えれますのであまりお付き合いしないほうが良いと思います。まずはこのような数値で断熱性の基準があることを理解しておけば、相手の営業マンと話をする際にも、確りしているお客だなということで手を抜かれない対応に繋がってくると思います。こUA値とC値についてすぐに答えられない人は論外ですね。余談ですがC値1.0以下あれば24時間換気システムも概ね計算通りになるとされていますよ。)

断熱と遮熱は同じ意味ではない

断熱ついて少し補足ということで気を付けてほしいことがあります。リフォーム会社にて断熱塗装という表示が見られたりすることがあり、断熱性能が高いことを謳ったりされるのですが実は塗料に断熱性能はほぼありません。これを正しく表現するなら遮熱という方が正しいと思います。これはなぜかというと遮熱とは輻射熱に対する対策のことをいい(ちなみに断熱とは熱伝導に対する対策です。)、空気が在る無いに関わらず、太陽光で壁が暖められることを輻射熱と呼び、熱伝導は物から伝わってくる熱のことなので、断熱とは触れているものから熱を伝わりにくくすることを言います。輻射熱の対策で一般的なのはフィルムや塗料、Low‐Eとなるので、断熱塗料と謳っているものは遮熱塗料かと思います。

ただ決してこの塗料が良くないと言っている話ではないのですが、巷では宇宙服にも使われいる材料で塗料を作ってたりしてますが、それがイコール断熱性が高いと言われるとそうではないのが現実です。なぜなら宇宙って空気がありませんから、物体を介して熱が伝わるわけではないのです。つまり冷たい空気(物体)を断絶するものではないということです。余談ですが、熱伝導率の計算式W/m・kというのがあるのですが、この断熱性で重要なことはm(メートル厚さ)の部分で断熱材がどれくらいの厚みがあるかということです。つまり宇宙服にも使われている断熱塗料(遮熱塗料だと思ってますが。)が断熱性が高いというのなら前述した方程式の厚みはどれくらいなのかということになります。塗料なのでミクロンの世界(おそらく1ミリも無い)なのかなと思うと、どのように断熱性の高さを証明するのかと思います。

このように遮熱と断熱は似ている言葉なので混同しがちなのですが、かなり意味が変わってくるものなので、こちらを理解しながら断熱性の話を進めていけば良いと思います。金属は輻射熱の影響が大きいことから遮熱塗料との相性は良いと思いますので、一概に遮熱塗料がよくないという話をしている訳ではありませんのでご注意ください。