間取りを決める際の基礎知識

家を建てるときに一番楽しみなのがこの間取りづくりではないでしょうか。まずは気持ちの高ぶりを抑えて、間取りの知識を知っておきましょう。家が建ってしまったら後戻りはできませんので、まずは後悔の無いように大切なポイントをお伝えします。

間取りは大きく分けて二つ

本来は断熱材や付帯工事、住宅ローンなど難しいことは沢山勉強しがちで、意外に間取りをちゃんと勉強している人って少ないです。色々話し合うのが楽しいせいか基礎知識をおろそかにしがちになっています。結構ネットなどで実際の間取りの図面だけを見て決めてしまう人もいるらしくそれでは勿体ないですね。

大切なのは、まず間取りの考え方を知っておきましょう。間取りは大きく二つに分けられます。ひとつはホテル型の間取りです。一般的な間取りはほとんどこの間取りになっていて廊下と階段を使って、個室を設けていくことがホテル型間取りの特徴です。一般的な間取りはほぼこちらでしょう。

デメリットを強いてあげるのなら、個室になっているということは、一つ一つの部屋は独立しているので家族のふれあいは減ります。(減るといってもほとんどがこの間取りを一般的に思っているのでそんな概念もないかもしれませんが。)

もうひとつはホテル型のような廊下をなどはほとんど無くして、共用するスペースを設けて家族の触れ合いが増えるうような間取りにすることです。

出来るだけ空間を設けて家を広く使う為に、扉はほぼ引き戸を使用します。引き戸なら扉を開けていることが普通のドアより違和感を感じ無いことや風の流れを悪くさせないため、全ての扉を開けておくことで家全体の空気の循環が良くなる特徴があります。一日を通して家族の出会いを増やすのならリビングに階段設置は必須になると思います。また子供部屋などは二階に設けると思いますが、間仕切りを壁にせず、いつでも取り外しが出来るようにして、子供が巣立ってからも(部屋を一つにしたりして)有効活用できるようなスペースづくりも頭に入れながらプランニングするのが良いと思います。

この家づくりになると、部屋広く使えていいけど、収納の問題が出てきます。屋根裏に収納が出来るようにするのもアイディアとしては持っておいたほうが良いですね。ただ広い家づくりだけを意識すると、寒冷地などは気密性や断熱性に優れていないと冬が大変ですので、そこのコストとどうやって向き合うかもポイントになってきます。

まずはどんな生活をしたいかで間取りの考え方は大きく変わってきますので、家族みなさんで話し合う事からしてみてはいかがでしょうか。

一階部分の直下率には注意

また、開放的な家を建てるときは建物の構造もプロとよく話する必要がありますね。構造の良し悪しは間取りで決まるというような話も耳にします。震災などでの建物が倒壊するときのほとんどが一階総倒壊とのことです。つまり、一階が崩れてしまうことで2階3階も下に落ちる為、家が倒壊してしまうという現象です。

逆をいうと、この一階総倒壊を防げるような構造さえ出来ていれば、地震などには強い構造になっているといっても良いと思います。(もちろんプロに相談してください。)このとき直下率を下げないということを考えておかないといけないのですが、簡単に言うと二階にある柱の直下に一階の柱が無いような造りはどうしても直下率が低いです。例えば窓を開放的に作っている場合でも、そこに支えるものがなければ基本直下率は下げることになると思います。2階の下のに一階の柱が無いからって、一概に全て直下率がさがるというわけでは無いらしく、梁成が太いものを使用し構造計算が確りされているものであれば問題はないと思います。

リフォーム時も直下率低下には注意が必要

基本的に二階は構造計算をちゃんとしなくても良いというようになっているらしいですが、許容応力度計算をまともにやっている会社もあるらしいのでそこも相談していくと良いですね。ふれあいを重視にするあまり間取りを広くとった際の耐震等級が2までしか取れないとなれば、それはまた話が違ってくると思いますのでそこも注意が必要です。

また年月が経って、一階部分を広くしたいということで、リフォームをする際にも安易に柱を取ってしまうことで直下率が低下する恐れがあります。そのあたりを気にせずリフォームをするような業者もたくさんいますので耐震強度の問題はシビアに考えていきましょう。