断熱材と床暖房の基礎知識
断熱材はどういうものが良いか
本州の寒くない地域で多く使われている断熱材というのが大きく4種類あってグラスウール、吹付ウレタン、セルロースファイバー、ボード系の断熱材が多いです。何社も施工会社に話を聞いてますが、まあこのあたりの断熱材が多いですね。価格としては7割が近くがグラスウールということで価格は断然安いですね。
その次に、吹付ウレタンやセルロースファイバーなどは職人さんが現地にいって対応するので価格はグラスウールより高いです。値段はボード系が一番性能が良い分、値段も高いです。性能ってなんですか、という話になるのですが断熱なので熱を通しずらいかどうかが重要になってきます。例えば公園のベンチが鉄製のベンチと木製のベンチがあったとして、冬場の寒い時期だと断然鉄製のベンチの方が熱を通しやすいので冷たいベンチになります。
ここで性能の良さでいうと、木製ベンチの方が熱を通しにくいので、性能が高いといえます。性能を数値化すると、熱伝導率というもので表示されます。グラスウールが0.038くらい、吹付ウレタンが(種類にもよりますが)0.036くらい、セルロースファイバーは0.040、ボード系の断熱材(これも色いろありますが)0.020くらいになります。
また、どんな現場でも対応しやすいかという基準で判断すると、グラスウールは施工する際に、どうしても隙間が出来やすくなってしまうので、施工性はあまり高くありません。動画などを見てもらえばわかりますが、吹付ウレタンはどこでも高い精度で施工できるので施工性は高いと言えます。またセルロースファイバーも隙間なく敷き詰めやすいので施工性は同じく高いといえるでしょう。
ボード系の断熱材も外張り断熱を採用していれば基本施工しやすい部類にはいります。リフォームを良くしている会社に聞いたりすると、経年でも耐久性が高いのはボード系の断熱材とセルロースファイバーだったりするそうです。リフォーム時に壁をはがしてみるとグラスウールは湿気で下にずれ落ちていたりもするみたいで耐久性はあまり良くないみたいです。
吹付ウレタンも年数が経ってくるとつなぎ目が縮んできて隙間ができやすくなっているという話もちらほら聞きます。セルロースファイバーは適度に通気性があるため湿気を防ぐことが出来るのと、ホウ酸を使用しているので虫に食われる心配がほとんどないとのことで、経年劣化に強いとのことでした。防音性能が一番優れているのはセルロースファイバーとのことです。
断熱性に加えて生活には防音性も大切
防音性能も重要で、とくに子供が出来てからは走り回ったりピアノをしたり、ときには大声で泣くこともありますし、大人になってくれば音楽も聴きますので断熱性能にプラスして大事になると思います。グラスファイバーは吸音材としても使われるのですが、高音には強いが、低温にはあまり強くないという特徴があります。吹付ウレタンも隙間は出来ずらいので十分防音は出来ると思います。
プロの人たちがよく口にしてますが、一般の人たちって断熱材の種類を聞いてくる人が多いんだけど、肝心な断熱材の厚みを聞いてくる人がいないとの事。断熱材の性能って実は大きく変わるものでは無く、大事なのは厚さがどうなのかということです。断熱材の厚み×熱伝導率が本当の性能になります。ちなみに壁を1としたときに、屋根は2から3倍は必要です。よく夏場の二階は暑くなったりしますが、これは屋根が一番太陽の光を受けやすいので屋根の断熱材が薄いと、二階がどうしても暑くなります。ですので、材質の種類だけ聞くのではなくて、使用する断熱材の厚みを必ず確認してください。また更には、とにかく厚みをもたせたらいいかといえば、地震など大きな揺れが起きた場合や施工中に不具合が発生しやすい恐れがあるとのことです。現状ボード系の断熱材で上記記載の熱伝導率より低い、性能の高いボード断熱材も存在しているのですがコストがかなり上がります。
それでも使いたい場合には外断熱にして附加断熱として利用することで、性能の高いボード系の断熱材を有効活用することが出来ます。もしくは部屋内断熱として使う方が家を狭くしなくて済みますので有効活用に繋がると思います。
床暖房にも種類があります
まずこの二つの床断熱と床下エアコンの大きな違いって何かというと基礎断熱をしているかという部分かと思います。一般の床暖房というのは基礎断熱では無くて床下断熱ですね、一般的には床材の下に温水パイプなどを入れている状態でその下に床断熱をいれる形になっています。蓄熱式の床暖房の場合は、一般的に(色々ありますが)外張り断熱がある状態で床材と断熱材の間にコンクリ―トを流してその中に熱媒体がいれてあります。
床断熱と床下エアコンのメリット・デメリット
ここで大きな違いが出てしまうのは熱容量が大きくかかわるという事です。この熱容量とは何かということなのですが、一般的には温まりづらく、冷めづらいということです。例えば蓄熱式だと温まりにくいのですが一度温まると冷めづらいというのがメリットになります。家族の誰かが家にいることが多い家はこの蓄熱式はメリットになります。何故かというと一度温まれば冷めにくいこともあって熱容量が高い蓄熱式はある程度暖かいのが保てるので良いです。
家にいるのが短いような家庭では、留守にしている時間が長いと温まりにくいということもあって、家族の誰かが戻ってきたときに温め始めたとしてもなかなか温まりません。また他に気をつけないといけないのがシロアリですね。一般的な床暖房なら空洞があるのでそこでシロアリがいるかを確認することができますが外張り断熱でコンクリートを入れている場合の蓄熱式床暖房はシロアリが見えづらく除去しにくいです。一応対策することは可能なので、蓄熱式床暖房にした場合はこのあたりを念頭にいれて導入したほうがいいです。
床下エアコンの性能
次に床下エアコンなのですが、構造的には蓄熱式と似ていて外張り断熱でコンクリートが入っている層の部分がエアコンとなります。ここも同じく熱容量の部分とシロアリ対策の部分を考えなくてはいけませんので説明すると、まずは蓄熱式のデメリットでもあるコンクリートが中に入っている為、シロアリを確認しづらく対策もしにくいというのが、床下エアコンの場合はコンクリート部分が空洞になっているので床下を確認することができます。そして熱容量に関しても蓄熱式に似ていて熱容量は大きいです。つまり温まりにくく冷めにくいということになります。
コンクリート媒体での蓄熱式床暖房を少し良くしたのが床下エアコンなのかなと思います。ちなみにうちは床下エアコンです。寝室のクローゼットの中に床下エアコンが入っていますすぐに開けることが出来るので私は業者では無いですがメンテナンスはしやすいと思われます。ちなみに6畳用の一般家庭にあるようなエアコンを設置していますが、外気温が5度くらいのときに室内の温度は21~22度くらいです。(家の条件によっても全然ちがうと思いますが、吹き抜けや天井が高い家でも20度くらいと言ってました。もちろん壁付けでもエアコンは設置していますが、壁付けの場合は空気が上にいってしまうのでエアコンの効率が悪くなりますが床下エアコンの場合は壁全体の通気を通って壁全体(天井も)を温めますので家がほんのり暖かい状態になります。断熱素材の違いで大きく変わると思いますが、うちは寒いのがとにかく嫌な家庭なので床下エアコンにして良かったと思っています。ちなみに床暖房はすごく電気代がかかると言われています。また基本的には床暖房は局所的になることが多いので床暖房を設置しているところ以外はなおさら寒く感じてしまうそうです。大事なのは家全体を暖めることが出来ないなら結果としてあまり良いものではないと思い床下エアコンにしました。